「複数企業から内定をもらったので、他社にします」この一言、、、、かなり厳しいですよね。
予想の範囲内だとしてもね。。。内定辞退がもたらす深刻な経営インパクトはすごいですからね、、、、、。
内定辞退の実態
- 大手企業の平均内定辞退率:約30〜40%
- 中小企業では50%を超えるケースも珍しくない
- Z世代は平均2〜3社の内定を保持、比較検討が常態化
企業が被る損失
- 直接的コスト:採用広告費、エージェント手数料、説明会運営費(1人あたり数十万円〜数百万円)
- 機会損失:採用枠の空白による事業計画遅延、他候補者の選考機会逸失
- 組織的影響:現場の期待とモチベーション低下、人員不足による既存社員の負担増
- ブランド毀損:口コミサイトへの低評価投稿、次年度以降の応募減少
ある中堅IT企業では、10名の新卒採用計画に対し5名が辞退。補充採用に200万円を追加投入し、新人育成計画が3ヶ月遅延した事例もあります。
なぜZ世代は内定辞退するのか?
第1部で解説した通り、Z世代は「成長機会」「透明性」「ワークライフバランス」を極めて重視します。内定後から入社までの約3〜6ヶ月間、企業との接点が薄れると以下の不安が増幅します。
- 本当にこの会社で成長できるのか?
- 先輩社員との人間関係は大丈夫か?
- 入社後のギャップが大きいのでは?
- 他社のほうが条件が良いのでは?
調査によると、Z世代の89%が「内定者フォローの質が入社意思決定に影響する」と回答しています(PR TIMES調査)。つまり、内定者フォローは「あればいい施策」ではなく、もはや、採用成功の最終関門なのです。
本記事では、Z世代の心をつかみ、内定辞退を防ぐための具体的なフォロー戦略を徹底解説します。
目次
Z世代が内定後に抱える「3大不安」

内定者フォローの設計には、まずZ世代が何に不安を感じているかを理解する必要があります。
1. 人間関係への不安(最も多い不安要素)
「上司は厳しくないか?」「同期と仲良くできるか?」「職場の雰囲気は?」
Z世代は対面コミュニケーションの経験が少なく、SNSでの繋がりに慣れているため、リアルな人間関係構築に強い不安を抱えます。特にパワハラ・セクハラへの警戒心が強く、「怖い先輩がいたらどうしよう」という心理的ハードルが高いのが特徴です。
2. スキル・適性への不安
「自分にできる仕事なのか?」「学生時代の知識で通用するのか?」「周りについていけるか?」
Z世代は失敗を極度に恐れる傾向があり、入社前から「即戦力でなければならない」というプレッシャーを感じがちです。特に技術職やコンサルタント職では、専門スキルへの不安が内定辞退の引き金になります。
3. 企業文化・社風への不安
「説明会で聞いた話と実態は違うのでは?」「残業は本当に少ないのか?」「風通しの良さは本物か?」
Z世代は情報リテラシーが高く、企業の公式情報だけでなく、口コミサイト(ONE CAREER、就活会議、OpenWork等)やSNSで裏取りを行います。説明会で語られた理想と、社員の生の声にギャップがあると、信頼が一気に崩れます。
内定者の本音(アンケート自由記述より)
- 「内定後、連絡が全くなく放置されていると感じた」
- 「他社は毎月面談があるのに、この会社は何もない。不安になった」
- 「入社前研修の案内が直前すぎて、アルバイトのシフト調整ができなかった」
- 「LINEで夜11時に連絡が来て、プライベートを尊重されていないと感じた」
これらの不安を解消しないまま放置すると、内定者は「もっと安心できる企業」へと流れていきます。
内定者フォロー成功の「3大原則」

Z世代の不安を解消し、入社意欲を高めるには、以下3つの原則を徹底する必要があります。
原則1:双方向コミュニケーション ── 「聞く」姿勢の徹底
従来型の一方通行な情報提供(会社案内の郵送、メール配信のみ)では、Z世代の心は掴めません。重要なのは、企業から一方的に伝えるのではなく、内定者の声を「聞く」場を設けることです。
具体例
- 月1回の1on1面談(オンライン可)で個別の不安や関心をヒアリング
- 座談会で自由に質問できる雰囲気づくり(「どんな質問もOK」を明言)
- 匿名質問箱の設置(Slido、Googleフォーム等)で本音を引き出す
- 内定者同士のグループチャットで相互交流を促進
成功のポイント
質問に対する回答は24時間以内に返信。回答が難しい場合も「確認中です、◯日までに回答します」と必ず反応する。放置は最大のNG行為です。
原則2:個別最適化 ── 一人ひとりに合わせたアプローチ
Z世代は「個性の尊重」を強く求めます。全員に同じ内容を一斉送信するだけでは、「自分は大切にされていない」と感じさせてしまいます。
具体例
- 内定者カルテの作成:興味分野、希望配属、不安ポイント、趣味等を記録 パーソナライズされた情報提供:「あなたが関心を持っていた◯◯部門の資料です」
- メンター制度:年齢・出身校・趣味等が近い先輩社員を個別にマッチング
- キャリアプラン面談:「入社後どう成長したいか」を丁寧にヒアリングし、研修計画に反映
成功事例
ある企業では、内定者全員に「あなた専用の成長ロードマップ」を作成。1年目・3年目・5年目の目標と、そのために受けられる研修・資格支援を可視化したところ、内定辞退率が前年比60%減少しました。
原則3:リアルな情報提供 ── 良い面も課題も正直に伝える
Z世代は「盛られた情報」を嫌います。企業の良い面だけをアピールし続けると、「何か隠しているのでは?」と疑念を抱かれます。
具体例
- 先輩社員の失敗談・苦労話を共有(「最初は◯◯で苦労したけど、△△のサポートで乗り越えた」)
- 残業・有給取得の実データ公開(部署別・月別の平均値)
- 離職者インタビュー動画(「なぜ辞めたのか、どうすれば防げたか」を学びに変える)
- 経営課題の共有(「今、会社はこんな課題に取り組んでいます。一緒に解決してほしい」)
成功のポイント
ネガティブ情報を伝える際は、必ず改善策や支援体制もセットで提示する。「大変だけど、こうやってサポートします」という姿勢が信頼を生みます。
明日から使える「7つの具体策」

ここからは、実際に企業が取り入れやすい内定者フォロー施策を7つ紹介します。
施策1:先輩社員との座談会
内容
内定者5〜8名に対し、入社1〜3年目の若手社員2〜3名が参加。カフェやオンラインでカジュアルに対話。
テーマ例
- 「入社前に不安だったこと」
- 「1年目で一番苦労したこと・嬉しかったこと」
- 「上司との関係づくりのコツ」
- 「プライベートとの両立方法」
ポイント
- 人事は同席せず、若手社員だけで進行(本音を引き出すため)
- 事前に内定者からテーマリクエストを募集
- 終了後、若手社員から人事へフィードバック(内定者の不安ポイントを共有)
効果
「先輩もみんな最初は不安だった」という共感が、心理的ハードルを大きく下げます。
施策2:オンライン交流会・グループワーク
内容
内定者同士がチームを組み、簡単な課題に取り組む。例:「入社後やりたいこと」をプレゼン、自社商品の改善アイデア出し、他己紹介ゲーム等。
ポイント
- 全員がカメラON・発言機会を均等に
- アイスブレイク(趣味・特技紹介、クイズ等)で緊張をほぐす
- 終了後、Slackやグループチャットで感想共有
効果
同期同士の横のつながりが生まれ、「一緒に頑張る仲間がいる」という安心感を形成。内定辞退の心理的ブレーキになります。
施策3:eラーニング・資格取得支援
内容
ビジネスマナー、Excel、業界知識等の基礎講座を無料提供。希望者には資格取得費用を補助(簿記、TOEIC、プログラミング検定等)。
ポイント
- 強制ではなく「任意」とし、自主性を尊重
- 進捗を月1回ヒアリングし、「◯◯さん、簿記の勉強頑張ってますね!」と声掛け
- 修了者には修了証や社内表彰で承認欲求を満たす
効果
「入社前から成長できている」実感が、自己効力感を高め、企業への帰属意識を強化します。
施策4:LINE公式アカウント・専用アプリでの日常発信(週1〜2回)
内容
社内イベント写真、社員のおすすめランチ、業界ニュース解説、「今週の一言」等、カジュアルなコンテンツを配信。
ポイント
- 投稿は短文・ビジュアル中心(Z世代はタイパ重視)
- 絵文字やスタンプで親しみやすさを演出
- 一方通行にせず、コメント返信やアンケート機能で双方向性を確保
- 配信時間は平日10〜18時(夜間・休日は避ける)
NG例
- 22時に「明日の面談リマインド」を送信 → プライベート侵害と受け取られる
- 毎日複数回配信 → 通知疲れで既読スルー、ブロックされる
効果
「会社との繋がり」を日常的に感じられ、心理的距離が縮まります。
施策5:社内イベント・部活動への招待(自由参加)
内容
バーベキュー、運動会、忘年会、ボランティア活動、サークル活動等に内定者を招待。
ポイント
- 参加は完全任意、不参加でも不利益なしを明言
- 交通費・参加費は企業負担
- イベント後、参加者に感想をヒアリング(改善に活かす)
NG例
- 「全員参加が前提」の雰囲気づくり → プレッシャーとなり逆効果
- 土日開催で代休・手当なし → プライベート軽視と反発される
効果
仕事以外の一面を知ることで、「人間味のある会社」という印象を形成。人間関係への不安が軽減されます。
施策6:配属先上司・先輩との1on1面談(入社1〜2ヶ月前)
実際に配属される部署の上司・先輩と個別面談(30分〜1時間、オンライン可)。
話す内容
- 上司から:チームの雰囲気、期待する役割、サポート体制の説明
- 内定者から:不安なこと、やりたいこと、働き方の希望をヒアリング
- 先輩社員の1日スケジュール紹介
ポイント
- 面談前に「どんな質問も歓迎」と伝え、心理的安全性を確保
- 上司は「教える」ではなく「聞く」姿勢を徹底
- 面談後、「あなたの希望を踏まえて、こんな研修を用意しました」とフォロー
効果
「この上司なら大丈夫」という安心感が、内定辞退の最大防波堤になります。
施策7:経営層からのメッセージ動画(入社直前)
社長・役員が内定者に向けて、ビジョン、期待、歓迎の気持ちを語る3〜5分の動画。
ポイント
- 堅苦しいスーツではなく、カジュアルな服装で親しみやすく
- 「失敗を恐れず挑戦してほしい」「困ったらいつでも相談して」等、心理的安全性を強調
- 可能なら内定者一人ひとりの名前を呼ぶ(「◯◯さん、△△さん、待ってます!」)
効果
「経営トップが自分たちを見てくれている」という特別感が、帰属意識を大きく高めます。
コミュニケーションツールの選び方と運用ルール

内定者フォローの成否は、どのツールで、どう連絡するかに大きく左右されます。
ツール別の特徴と使い分け
| ツール | 開封率 | 適した用途 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| LINE公式アカウント | 約70〜80% | 日常的な情報発信、リマインド、簡単な質問対応 | 既読スルーされやすい。重要事項はメールと併用 |
| オープンチャット | 高(リアルタイム性) | 内定者同士の交流、質問掲示板 | 炎上リスクあり。運営ルールを明示 |
| メール | 約40〜50% | 公式書類、詳細な案内 | 埋もれやすい。件名に【重要】等を明記 |
| 専用アプリ | 高(プッシュ通知) | 研修スケジュール、資料共有、掲示板 | 導入コストあり。使いやすさが鍵 |
推奨の組み合わせ
- 日常発信・交流 → LINE
- 公式案内・契約書類 → メール
- 研修・資料 → 専用アプリまたはGoogleドライブ
- 緊急連絡 → 電話(事前に「緊急時のみ使用」と説明)
連絡頻度の目安
- 月1〜2回:定期的な情報発信(イベント案内、業界ニュース、社員紹介等)
- 節目で追加:内定承諾直後、入社3ヶ月前、1ヶ月前、1週間前
- 個別対応:内定者からの質問には24時間以内に返信
NG行動ワースト3
- 夜間・休日の連絡:「22時に明日の面談リマインドLINE」は最悪。平日10〜18時厳守。
- 一方通行の大量配信:週に何度も長文メールを送ると、開封率が下がり逆効果。
- 完全放置:「内定出したから後は放置」は内定辞退率50%超の原因に。
内定辞退を防ぐ「採用成功チェックリスト30項目」

自社の内定者フォローを客観的に評価できるチェックリストです。各カテゴリーで◯が3つ未満の場合、改善が必要です。
【A】コミュニケーション基盤(10項目)
□ 内定承諾後1週間以内に、担当者から個別にお祝いメッセージを送っている
□ 月1回以上、定期的な接点(面談・イベント・配信)を設けている
□ 内定者からの質問に24時間以内に返信している
□ 匿名で質問できる仕組みがある
□ 内定者同士が交流できる場(グループチャット、イベント等)がある
□ LINEやメールの配信時間を平日10〜18時に限定している
□ 一方的な情報提供だけでなく、内定者の声を聞く機会を設けている
□ 連絡手段を複数用意し、内定者が選べるようにしている
□ 内定者向けの専用窓口(電話・メール)を設置している
□ 緊急時の連絡方法を明確に伝えている
【B】情報提供・透明性(8項目)
□ 入社までのスケジュール(研修・手続き・イベント)を一覧で提示している
□ 配属先の部署・上司の情報を事前に伝えている
□ 先輩社員のリアルな体験談(失敗談含む)を共有している
□ 残業時間・有給取得率等の実データを公開している
□ 会社の課題や改善取り組みを正直に伝えている
□ 入社後の評価基準・キャリアパスを可視化している
□ 研修プログラムの内容・期間を具体的に説明している
□ 福利厚生・制度の利用実態を数字で示している
【C】個別対応・成長支援(7項目)
□ 内定者一人ひとりの興味・関心・不安を記録している
□ 個別のキャリアプラン面談を実施している
□ 年齢・出身校・趣味等が近い先輩社員をメンターとしてマッチングしている
□ eラーニングや資格取得支援を提供している
□ 内定者の進捗や取り組みを定期的に褒める・認める仕組みがある
□ 希望者には職場見学やアルバイト参加の機会を提供している
□ 内定者の質問や要望に対し、柔軟に対応している
【D】心理的安全性(5項目)
□ 「どんな質問も歓迎」「失敗してもOK」というメッセージを繰り返し伝えている
□ 内定者が不安を口にしやすい雰囲気づくりをしている
□ 参加を強制するイベントは一切ない
□ 内定辞退を申し出た場合の対応フローが明確で、引き留めすぎない
□ ハラスメント相談窓口を内定者にも案内している
評価基準
- 25項目以上◯:優良水準。内定辞退率10%以下が期待できます。
- 15〜24項目◯:標準水準。一部改善で辞退率20%以下に。
- 14項目以下◯:要改善。内定辞退率30%以上のリスクあり。早急な見直しを。
Z世代採用成功の「5大原則」総まとめ

本シリーズ3部作を通じて解説してきた内容を、5つの原則に集約します。
原則1:成長機会の可視化
Z世代が最も重視するのは「ここで成長できるか」。入社後の研修、メンター制度、キャリアパス、資格支援等を具体的に示し、「◯年後にはこうなれる」という未来を描かせることが不可欠です。
原則2:透明性とリアルな情報提供
「盛った情報」はすぐに見抜かれます。良い面も課題も正直に伝え、改善への取り組みを示すことで信頼を獲得。残業・有給・離職率等のデータを数字で公開しましょう。
原則3:双方向コミュニケーション
一方的な情報発信ではなく、「聞く」姿勢が重要。座談会、1on1、匿名質問箱等で内定者の声を引き出し、個別の不安に丁寧に対応することが辞退防止の鍵です。
原則4:個別最適化とパーソナライズ
全員に同じ対応ではなく、一人ひとりの関心・不安・希望に合わせたフォローを。メンター制度、個別面談、パーソナライズされた情報提供で「大切にされている」実感を。
原則5:心理的安全性の確保
「失敗してもOK」「質問大歓迎」という文化を明示。夜間連絡の禁止、参加任意のイベント、ハラスメント相談窓口の整備等で、安心して入社できる環境を整えましょう。
明日からできる「5つの即行動リスト」

最後に、この記事を読んだ今日から始められるアクションを5つ提案します。
1. 内定者に個別メッセージを送る
テンプレではなく、「◯◯さんが面接で話していた△△について、入社後こんな機会がありますよ」と、一人ひとりに合わせた内容で。今日中に送りましょう。
2. 月1回の1on1面談をスケジュール
Googleカレンダーに「内定者◯◯さん面談」を毎月1回、入社まで設定。30分でOK。まず来週の予定を押さえてください。
3. LINEグループまたはSlackチャンネルを開設
内定者同士が交流できる場を今週中に作成。初回投稿は「自己紹介・好きな食べ物」等、軽いテーマで。
4. 先輩社員に「座談会協力依頼」を出す
入社1〜3年目の若手3名にアプローチ。「内定者の不安を聞いてあげてほしい」と依頼し、来月の日程を仮押さえ。
5. チェックリストで自社の現状を診断
第5章のチェックリスト30項目を印刷し、人事チーム全員で◯×をつけてみましょう。14項目以下なら、緊急対策会議を今週中に開催してください。
Z世代は、決して「わがまま」でも「扱いにくい」わけでもありません。
彼らは透明性、成長機会、個性の尊重を求める──それは時代の必然です。その価値観を理解し、双方向のコミュニケーション、リアルな情報提供、心理的安全性を備えた内定者フォローを実践すれば、内定辞退率は確実に下がり、入社後の定着率も向上します。
そして何より、Z世代の新しい視点と多様性が、あなたの組織に innovation をもたらすはずです。「この会社に入社して良かった」その言葉を新入社員から聞くために、今日から、できることから始めてみませんか?
本シリーズ3部作で、Z世代の理解から採用戦略、内定者フォローまでを網羅しました。ぜひ第1部・第2部も併せてお読みください。
第1部:「なぜZ世代は『意味不明』なのか?企業が知るべき価値観と採用課題の全貌」
第2部:「Z世代を惹きつける採用活動の実践戦略」
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