歯医者のリコール患者を増やす方法|定期検診の来院率が上がる具体手順

この記事で分かること

  • 歯科医院のリコール率を上げるための具体的な手順と仕組み
  • ハガキ・LINE・次回予約制など世代別・状況別のリコール手段の使い分け
  • 患者さんが定期検診に来なくなる本当の理由と対策
  • キャンセルを減らし・無断キャンセルを防ぐリマインドの仕組み
  • 今日からスタッフ全員で実践できる院内コミュニケーションの改善ポイント

この記事の対象者

  • 定期検診の来院率(リコール率)が30〜50%台で伸び悩んでいる歯科医院の院長
  • 治療が終わると患者さんが来なくなってしまうことに悩んでいる方
  • リコールハガキを送っているが効果を実感できていない方
  • キャンセル・無断キャンセルの多さに困っている院長・受付担当者

よくある質問

Q. リコール率とは何ですか?目安はどのくらいですか?
A. リコール率とは、定期検診の対象になる患者さんのうち、実際に来院した患者さんの割合のことです。つまり「治療が終わった後も継続して通ってくれている患者さんの比率」を示す数字です。一般的に50%以下は改善の余地あり、70%以上が経営安定の目安、90%以上は優良医院とされています。
Q. リコールハガキを送っているのに来院率が上がらない理由は何ですか?
A. よくある原因として「ハガキの内容が画一的で患者さんに刺さらない」「送るタイミングが遅すぎる」「ハガキだけに頼って他の手段を使っていない」などが挙げられます。患者さんの年代や好みに合わせてLINE・SMS・電話を組み合わせることで、来院率が大きく変わります。
Q. 新患獲得とリコール改善、どちらを優先すべきですか?
A. リコール改善を先に優先することをおすすめします。新患獲得のコストは既存患者の維持コストの約5倍とも言われています。すでに信頼関係がある患者さんに定期来院してもらう方が、コスト効率が大幅に高く、医院経営の安定につながります。
Q. 次回予約制(チェアサイド予約)は患者さんに嫌がられませんか?
A. 適切な声かけとメリットの伝え方をすれば、ほとんどの患者さんに好意的に受け入れてもらえます。「お口の状態を継続してみていくためにご予約をお取りしておきます」という伝え方が自然で受け入れられやすいです。具体的なトーク例を本記事で紹介します。

要約

歯科医院のリコール率を上げるには、①チェアサイドでの次回予約の取り方、②ハガキ・LINE・SMSを組み合わせたリコール連絡の仕組み、③来院したくなる院内コミュニケーションの改善の3本柱が重要です。治療後に患者さんが来なくなる最大の理由は「必要性を感じていないから」です。定期検診の価値を患者さん自身に実感してもらう仕組みをつくることが、リコール率向上の本質です。

リコール率が低いと歯科医院経営はどうなるか

歯科医院の経営を安定させる最も確実な方法は、新患を増やすことより、既存患者さんに継続して通ってもらうことです。

新患1人を獲得するためのコストは、既存患者さんを維持するコストの約5倍とも言われています。つまり、リコール率を10%上げるだけで、広告費をかけずに売上を改善できる可能性があります。

しかし現実には、定期検診を勧めているにもかかわらず、治療が終わると来なくなってしまう患者さんが多い歯科医院がほとんどです。なぜそうなるのかを理解することが、改善の第一歩です。

患者さんが定期検診に来なくなる3つの本当の理由

  1. 「痛くないから大丈夫」と思っている(定期検診の必要性を実感していない)
  2. 「いつでも行けばいい」と後回しにしている(予約が入っていないから忘れる)
  3. 「通知が来ても面倒くさい」と感じている(連絡方法が患者さんの好みと合っていない)

この3つの理由はどれも、医院側の仕組みと伝え方で解決できます。

▼新患獲得との組み合わせについては、こちらもあわせてご覧ください

リコール率を上げる3つの具体的な手順

手順① チェアサイドで「次回予約」を取る仕組みをつくる

リコール率を最も効率よく上げる方法は、治療・メンテナンスが終わった瞬間にその場で次回の予約を取ることです。これをチェアサイド予約(院内予約制)と呼びます。

「また連絡します」「気になったら来てください」ではなく、その場で日時を確定してもらうだけで、次回来院率が大幅に上がります。実際に次回予約制を導入した歯科医院では、リコール率が3ヶ月以内に20〜30ポイント改善したケースも報告されています。

チェアサイド予約のそのまま使えるトーク例

シーントーク例
治療完了時・担当歯科衛生士「今日の治療お疲れ様でした。お口の状態を継続して確認させていただくため、次回のご予約をここでお取りしてもよいですか?3ヶ月後の〇月ごろがよいかと思います。」
定期検診終了時・受付スタッフ「本日はご来院ありがとうございました。次回は〇ヶ月後にお口のチェックをおすすめしています。ご都合のよい日時をご確認させていただけますか?」
患者さんに「また連絡します」と言われたとき「もちろんです。念のため〇月〇日ごろの仮予約だけ入れておきますね。変更は無料でできますので、お気軽にご連絡ください。」
ポイント:「いつでもどうぞ」は最もリコール率を下げる言葉

「痛くなったらまた来てください」「いつでもどうぞ」という言葉は、患者さんに「来なくていい」という印象を与えてしまいます。次回の来院時期を具体的に伝え、「〇ヶ月後にまた来るもの」という意識を植え付けることが重要です。

手順② ハガキ・LINE・SMSを組み合わせたリコール連絡の仕組みをつくる

チェアサイドで次回予約を取れなかった患者さんには、時期が来たら適切な手段でリマインドする仕組みが必要です。1つの手段だけに頼らず、患者さんの年代・生活スタイルに合わせて使い分けることが重要です。

世代別・おすすめのリコール連絡手段

年代おすすめの手段理由
10〜30代LINE公式アカウント開封率が高く、予約URLをそのまま送れる
30〜50代SMS(ショートメッセージ)メールより開封率が高い。スマホに通知が届く
50〜70代ハガキ+電話紙の通知に安心感。電話での声かけが効果的
全世代共通前日リマインド無断キャンセルを防ぐ。来院当日の準備にもなる

リコール連絡の理想的なタイムライン

  1. 次回検診の2週間前:ハガキ・LINE・SMSで「〇〇様の定期検診の時期になりました」と通知
  2. 1週間前:予約が入っていない患者さんに再度連絡(予約URLを添付)
  3. 予約が確定している患者さんには前日:「明日〇時のご予約を確認しています」とリマインド
LINEを使ったリコール連絡のメリット

LINE公式アカウントにはステップ配信という機能があります。つまり「友だち追加してから〇日後に自動でメッセージを送る」という仕組みを一度設定しておけば、スタッフが手動で連絡しなくてもリコール通知が自動で届く仕組みをつくれます。初期設定さえできれば、リコール業務の負担を大幅に削減できます。

リコールハガキで反応率を上げる3つのポイント

  • 宛名を手書き風にする(印刷の文字より温かみが伝わり開封率が上がる)
  • 「〇〇様の次回検診の時期です」と個人名を入れる(自分へのメッセージと認識してもらえる)
  • QRコードでWEB予約に直接飛べるようにする(電話が面倒な患者さんの予約ハードルを下げる)

手順③ 患者さんが「また来たい」と思える院内体験をつくる

どれだけ仕組みを整えても、「来院自体が嫌だ・面倒だ」と思われていれば、リコール率は上がりません。

定期検診に自主的に通い続けている患者さんが共通して感じていることは、「この医院のスタッフは自分のことを気にかけてくれている」という信頼感です。

来院したくなる院内体験をつくる5つのポイント

① 患者さんの「変化」を記録して次回に活かす

「前回より歯ぐきの状態が良くなりましたね」「前回お話しされていた〇〇はどうですか?」という一言が、患者さんに「ちゃんと見てくれている」という安心感を与えます。カルテに前回の会話内容をメモしておくだけで実践できます。

② 定期検診の「目的」を毎回丁寧に伝える

「歯石を取るだけ」ではなく、「今日の検診で〇〇の部分に磨き残しが見られましたので、早めに対処しましょう」という具体的なフィードバックを伝えることで、患者さん自身が「通う意味」を実感できます。定期検診の価値が伝わると、リコール率は自然に上がります。

③ 「1リコール1情報」で毎回新しい学びを提供する

メンテナンス終了後に1枚のスライドや印刷物を使い、3〜5分で口腔ケアに関するワンポイント情報を伝える取り組みです。「今日は歯ブラシの正しい当て方について」「今月は歯周病と糖尿病の関係について」など、毎回異なる情報を提供することで、来院自体が「学びの時間」として価値ある体験になります。

④ キャンセルへの対応を「責めない」スタンスに変える

キャンセルが続いた患者さんに対して、責めるような連絡の仕方は逆効果です。「お体の具合はいかがですか?お気軽にご連絡ください」という温かいトーンが、来院再開のきっかけになります。

⑤ 待ち時間を「快適な時間」に変える

待合室のBGM・雑誌の充実・Wi-Fi設置など、待ち時間の体験を改善するだけで「また来たい」という印象が変わります。特に予約時間通りに診療が始まることは、忙しい患者さんへの最大の配慮です。

リコール率の現状確認と目標設定の方法

リコール率の計算式

リコール率(%)= 定期検診で来院した患者数 ÷ 定期検診の対象になる患者数 × 100

まず自院の現在のリコール率を計算してみてください。多くの歯科医院では、この数字を把握できていないケースが多く、計測することだけでも改善の第一歩になります。

リコール率の段階別・目標と改善の目安

リコール率状態の判断まず取り組むべき施策
30%以下要改善・緊急対応が必要チェアサイド予約の徹底・リコール連絡の仕組みを即整備
30〜50%平均以下・改善余地が大きいLINE・SMSの導入・ハガキの個別化
50〜70%平均的・さらなる向上が可能院内体験の改善・スタッフトークの統一
70〜90%良好・安定経営の水準前日リマインド強化・キャンセル再来院の仕組みづくり
90%以上優良・地域トップ水準口コミ・紹介患者の増加に注力

キャンセル・無断キャンセルを減らす仕組み

リコール率を上げるためには、せっかく予約してくれた患者さんのキャンセルを減らすことも欠かせません。

無断キャンセルを減らす「3段階リマインド」

  1. 予約確定後すぐ:「ご予約ありがとうございます。〇月〇日〇時にお待ちしています」と確認メッセージを送信
  2. 3日前:「〇日後にご予約いただいています。変更・キャンセルのご連絡はお気軽に」とLINE・SMSで通知
  3. 前日:「明日〇時のご予約を確認しています。ご不明な点はお電話ください」とリマインド

この3段階のリマインドを実施しただけで、無断キャンセルが半減した歯科医院の事例があります。LINEや予約システムの自動送信機能を使えば、スタッフの手間をかけずに実現できます。

キャンセルが続いた患者さんへの「再来院を促す連絡」

キャンセルが2回以上続いた患者さんには、通常のリコール連絡とは別に、温かみのある個別メッセージを送ることが有効です。

  • ❌ 「〇回キャンセルされています。早めにご来院ください」(プレッシャーを与えてしまう)
  • ✅ 「〇〇様、お変わりございませんか?お口の状態が気になっています。お時間のあるときにぜひいらしてください」(温かいトーンで再来院を促す)

まとめ:リコール率の改善は「仕組み×コミュニケーション」

リコール率を上げるために今すぐ取り組めることは、大きく3つです。

  • 今日から:チェアサイドで次回予約を取るトークを全スタッフで統一する
  • 今週中に:LINEまたはハガキによるリコール連絡の仕組みを設計する
  • 今月中に:自院のリコール率を計算し、現状を数字で把握する

リコール率改善は、広告費をかけずに売上を安定させる最も効率的な方法です。同時に、患者さんとの信頼関係が深まり、自然な口コミや紹介患者の増加にもつながります。

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筒井 章年

Web制作歴27年。1,000サイト以上のWeb集客のサポート経験を持つ。 その経験で得た知識や経験でWeb集客の立案やコンサルティングを担当しています。集客問題を解決できるノウハウをわかりやすくご紹介いたします!

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