目次
歯科医院がInstagram運用でつまずく理由
① 投稿内容が患者目線ではない
解説
歯科医院のInstagram投稿では、つい専門知識や実績のアピールに偏りがちです。しかし、患者が知りたいのは「難しい解説」ではなく、「安心感」「自分に関係する情報」です。
- ✕「○○法による咬合再建の症例」→ 難しくて伝わらない
- ○「噛み合わせが悪いとどうなるの?」→ 患者視点のテーマ
「伝えたいこと」ではなく「知りたいこと」を主軸にコンテンツを組み立てましょう。
② 更新が不定期で忘れられている
解説
SNSは日々動いている媒体としての性質があります。不定期更新は存在しないも同然。週1回すら投稿できていない医院は「信頼されるチャンス」を逃しています。
しかし、更新があると、、、
- フィードに表示され、思い出してもらえる
- 継続的に医院の安心感が伝わる
- タイミングよく予約・来院へと繋がる
投稿を「業務」として仕組み化することがカギです。
③ プロフィールが不親切・不完全
解説
プロフィールはInstagramでの“名刺”です。以下が揃っていないと、来院どころかフォローさえされません。
- 医院名(検索されやすくなる)
- 所在地(エリア特定で安心感)
- 診療内容(ニーズとマッチさせる)
- 予約方法の記載+リンク(すぐ行動できる導線)
第一印象で「親切」「丁寧」と思ってもらえる設計が重要です。
④ 写真の世界観がバラバラで“医院の印象”が伝わらない
解説
SNSは視覚が命。写真や色合い、投稿テンプレがバラバラだと、医院の雰囲気が伝わりません。
整えるべき要素
- 色味(柔らかめ・白基調など安心感を出す)
- フォント(読みやすさと信頼感を両立)
- 写真(人物・院内を一定のトーンで)
例
- 院長が笑顔で患者対応している様子
- スタッフ紹介でチーム感を見せる
- 診療室や受付の清潔感が伝わる写真
Instagramで成果を出すための5つの実践ポイント
① 患者に役立つ情報を“わかりやすく”投稿する
解説
Instagramは「読む」より「見る」メディアです。伝えるべき情報は以下のようにスライドやイラストで構成しましょう。
例
- よくある質問:「親知らず 抜くタイミング」「ホワイトニングの効果は?」
- 治療の流れ:初診→検査→説明→治療までを図解で説明
- 誰向けの投稿かを明確に:「子どもの歯並びが気になる方へ」
“誰に向けた投稿か?”を意識すれば、共感されやすく保存・共有されやすくなります。
② “人柄”と“雰囲気”が伝わる写真・動画を活用
解説
投稿写真や動画に「人柄」や「優しさ」を映し出すことで、患者の不安は大きく軽減されます。特にストーリーズの“日常感”は重要です。
活用例
- スタッフの自然な笑顔
- 院内イベントの裏側
- 院長の仕事風景(机上より診療中の様子)
患者の心理としては、「設備がすごい」より「雰囲気が安心」が決め手になることが多いです。
③ 世界観を統一し、“信頼感”を演出する
解説
ブランドとしての印象を作るには、見た目の一貫性が不可欠です。
テンプレートや色・フォントのルールをあらかじめ決めておけば、誰が投稿してもブレません。
おすすめ
- Canvaで医院専用の投稿テンプレを作成
- 白・水色・グリーンなど、清潔感のある色で統一
- フォントは丸ゴシックなどやわらかさ重視
これにより、「いつ見ても同じ印象」「丁寧な医院」と記憶されやすくなります。
④ LINEやホームページへの導線を明確に設定
解説
いくら投稿が良くても「予約方法がわからない」では機会損失となりますので、以下を必ず押さえてください。
- プロフィールに「lit.link」や「Linktree」でリンク一覧を設置
- 投稿キャプションにも「ご予約はプロフィールから」など明示
- ストーリーズハイライトに「予約案内」「診療案内」など固定
気になった瞬間に動ける導線をつくることで、確実に成果につながります。
⑤ 投稿計画・スケジュールを設けて“継続”を習慣に
解説
続かない最大の理由は「何を投稿するか毎回悩む」こと。
月に8投稿(週2)の型を事前に決めておけば、迷わず進められます。
月8本の投稿テンプレ例
- Q&A(2本)
- 治療紹介(2本)
- スタッフ・院内紹介(2本)
- 症例・ビフォーアフター(1本)
- リマインド・お知らせ(1本)
業務として回すには
- 院内の誰かが担当、またはSNS運用の外注
- 予約投稿ツール(Later、Meta Business Suite)を活用
「認知→信頼→予約」の流れを継続で作り出せます。
歯科医院がInstagramを活用すべき理由(戦略視点)
1. 競合医院との差別化に繋がる
解説
歯科医院の情報はネット上に溢れていますが、治療内容だけでは差別化は難しいのが現実です。
そこでInstagramが活きるポイントは「人となり」や「考え方」「医院の空気感」を視覚で伝えられる点。
具体例
- 院長の“診療に対する想い”を動画で伝える
- スタッフ同士のやり取りから“チーム感”を見せる
- 院内イベントを投稿し、患者との関係性が見える
「この人に診てもらいたい」と思ってもらえる導線作りが、他院との差になります。
2. 患者が“選ぶ基準”が変化している
解説
これまでの「ホームページで選ぶ時代」は終わりつつあります。今は「口コミ+SNS」での判断が主流であります。患者は以下のようなことをInstagramでチェックしています:
- 先生やスタッフの雰囲気は怖くなさそうか?
- 院内は清潔で子どもにも優しそうか?
- 実際の患者さんとの距離感はどうか?
視覚+リアル感で「安心できるかどうか」を事前に判断されている時代です。
3. 採用・スタッフエンゲージメントにも効果がある
解説
SNSは患者だけでなく、“これから一緒に働く人”にとっても重要な判断材料になります。Instagramで以下のような発信をすることで、採用にも好影響があります。
- スタッフの誕生日祝い・感謝の投稿
- 院内研修や勉強会の様子
- チームで取り組んだイベントや改善活動の共有
また、スタッフが投稿に関わることで“自分たちの医院”という意識が高まり、エンゲージメントの向上にもつながります。
Instagram運用にありがちな誤解とその解消法
「うちはフォロワーが少ないから意味がない?」
解説
Instagram運用は「フォロワーの質」が鍵です。
たとえば、地域密着型の歯科医院であれば、フォロワー数よりも「近隣に住む見込み患者」との接点の方がはるかに価値があります。
- 立地や診療内容に合った投稿で“地域のニーズ”を掴む
- 来院後の満足感が投稿に反映される→紹介・拡散につながる
- ストーリーズやDMでの個別対応で“信頼関係”を構築
「何を投稿したらいいかわからない…」
解説
「毎回投稿ネタを考える」ことが負担になります。そこで事前に“投稿の型”を決めると、継続しやすくなります。
おすすめテンプレ
- Q&A:「矯正中に痛みが出たときは?」
- 院内の紹介:「受付の雰囲気」「治療前の説明室」
- 患者さんの声(許可を得たうえで一部紹介)
カテゴリ分け投稿例
- 教育系(治療説明)
- 安心感(院内・人柄)
- アクション系(予約案内)
「忙しくてInstagramに時間をかけられない」
解説
院内業務と並行するのが難しい場合は、運用自体を「業務として整備」することが大切です。
具体的な工夫
- 月初に1か月分の投稿をまとめて作成
- Canvaでテンプレ化し、内容を流し込むだけに
- LaterやMeta Business Suiteで自動予約投稿
また、外部に委託する場合も医院側で「素材(写真や回答)」を準備するだけで済み、手間は大きく減らせます。
成果につながった歯科医院の運用事例
事例①:Q&A投稿シリーズで検索流入と相談数が増加
解説
ある地域密着型の歯科医院では、「患者からよくある質問」に答える形で投稿シリーズを展開。
「親知らずは抜いた方がいい?」「銀歯とセラミック、どちらがいいの?」など。
その結果、、、
- 投稿保存数やシェア数が増加
- Instagram経由の相談が月10件以上に
- 投稿からLINE登録、さらに来院へと自然な流れを確立
事例②:スタッフ紹介動画で“安心感”を醸成し新患UP
解説
別の医院では、スタッフ一人ひとりを紹介する動画シリーズを投稿。“無理に笑顔を作らない”ナチュラルな雰囲気が逆に好評でした。
成果
- 特に女性・ママ層の共感を得て新患数が月平均20%増
- 来院時に「Instagram見てました」と言われるケースが増加
- スタッフ間にも一体感が生まれ、エンゲージメントも向上
事例③:LINE連携から月間15件以上の予約導線を確保
解説
LINEとInstagramを連携し、「プロフィールのリンクから予約」へとスムーズに移行できる設計にした医院。
具体施策
- 投稿キャプションに「LINE予約はこちらから」と案内
- ハイライトに「予約方法」動画を固定表示
- リマインド投稿で定期的に誘導
結果
LINE経由の予約が月15件以上安定
「Instagram→LINE→来院」の流れが定着し、紹介も増加
Instagram活用に関するよくある質問(FAQ)
構造化データ対応を意識し、検索エンジンにも拾われやすい形式で記述しています。
まとめ
Instagramは単なる宣伝ツールではなく、「医院の人柄」「想い」「空気感」を可視化できる、最強の信頼構築メディアです。本記事で解説したように、成果を出している医院には共通点があります。
成果を出す3本柱
患者のための投稿を徹底する
- 難しい専門知識ではなく、患者が知りたい情報を優しく伝える
- 共感・保存・シェアされる投稿を目指す
「続けられる仕組み化」で継続運用
- テンプレ化、役割分担、予約投稿などで業務として運用
- 無理なく続けることで「認知→信頼→来院」が自然に生まれる
LINEやHPへの導線、世界観の統一で“ブランド化”
- 統一感のある投稿デザイン・色使い
- プロフィールや投稿内で明確な予約導線を設定
- どの投稿を見ても「安心感」が伝わる工夫
行動の呼びかけ
「Instagramは苦手…」という声も多いですが、実際はテンプレと型さえ決めれば誰でも成果を出せる媒体です。難しく考えるより、「患者さんの不安をやわらげる」気持ちを第一に始めてみましょう。
あなたの医院の想いと温度感を、投稿から伝えていきましょう。